京都旅行とマジック・ザ・ギャザリング(後編)

後編です。

前編を見ていない人はこちらから↓

secondsun.hatenablog.com

 

~前回のあらすじ~

環境に多いフェアデッキ、コンボデッキに強い「赤黒アグロ」を使うことを決めた乱脈な奇行であったが、直前のデカい大会の結果をみてビックリ! 実はアグロが流行りまくっていて、不利マッチだらけになっていた!

 

目次

 

 

赤単アグロ使用率2位。

確かにプロツアー時よりも赤単が増えることは予想していた。しかし、まさかエスパーコントロールやネクサスを押し退けてまで使用者が増えているとは予想できなかった。そして、それに伴い単色アグロに非常に有利なグルールアグロの増加

もはや重いデッキを意識した赤単はGP本戦では悪手ではないか?

残念ながら私がその思考に辿り着くのは少し遅すぎた。

 

※グルールアグロとは

グルールの呪文砕きなどのタフネスの高いクリーチャーやゴブリンの鎖回しというの全体ダメージを与えるクリーチャーを主軸とした生物主体のデッキ。単色アグロに対する強烈なカウンターデッキになる。GP前には開発が進み、サイド後にコントロールやネクサスと戦えるようなカスタマイズが施された。

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一言、時間が無さすぎる。

今までプレイしたことのない「コンボデッキ」や「赤単アグロ」の勉強に時間を費やした結果、他のデッキを触っている時間が全くなかった。

もちろん、このアグロ多めの環境で「ネクサス」を使うことも自殺行為だ。私が持っている手札で戦うなら、消去法的に赤黒を選択するしかない。

これが熟練したプレイヤーなら、今までの経験から環境を見てデッキを変えることは容易だったのだろう。そもそも事前に多種多様なアーキタイプに触って練度を高めていたのだろう。GP初出場の私の練習は明らかに視野が狭かった。

一瞬、デッキを変えることも考えた。グルールアグロであったら今までの経験でそれなりにプレイが可能で、環境的な位置も悪くないはず。京都観光用の前日2日間を全てグルールに費やせばギリギリ間に合うかもしれない。しかし……、

 

 

 

 

 

うるせえ! 京都を楽しませろ!

 

 

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今回の旅の目的は何か?

私は今一度見つめ直す。

「京都観光」と「マジック・ザ・ギャザリング

自転車を借りて、ホテルを予約して、貴様はなんの為にそこにいる?

 

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2日後、当然の結果が私に訪れることになる。



4,大会当日のレポート

それではいきなりですが振り返りましょう。

会場は駅から微妙に離れたところにあり、3月にしては肌寒い気候でした。周りに建物もない為、同じ方向にゾロゾロとプレイヤーらしき人達が歩いていく様は面白かった。

会場はいわゆるイベントホールで、MTGのプレイヤーがぎっしりだった。座る場所は十分にあったため、とりあえず一息。会場のアナウンスで「運命のきずな」のプロキシカード発行の案内がされていたので、密かに人がたくさんプロキシ発行所に集まることを祈っていた。

 

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1回戦 赤単t黒 〇✕〇

いきなりのミラー。案の定、赤単大増殖の不安がよぎる。私の構成と同様に黒タッチのヤソスタイル。

1戦目は相手のタフ1クリーチャーを鎖回しで上手くシバいて勝ち。2戦目は土地引けずに負け。3戦目は先手のブン回り&鎖回しで勝ち。

失礼な話だが、サイド後もタフ1クリーチャーを相手が減らしてこず、そこに漬け込み勝つことが出来た。

全敗は免れた。ひとまず安心。

 

2回戦 赤単 ✕✕

いきなり赤単2連続。明らかに持ち込むデッキを間違えている。

今回は純正赤単でメインから蒸気族や狂乱の入るタイプ。これは微不利。

1戦目は熱戦の末、敗北。タフ1クリーチャーは盤面を作るのに弱いため、リックスマーディでヴィーアシーノを優先して捨て終始盤面は押していたが、相手の火力→舞台照らし→火力火力で死亡。あと2点あれば勝っていたため、1回のプレイが大きく試合を左右する結果になった。非常に悔しい結果。

2戦目は先手4ターン目に狂乱を置くというブン回りを見せるものの、5回連続で土地をめくり、相手の鎖回し2体に殴り殺されて4。プレイミスはないため、こればかりは仕方ない。

 

3回戦 グリクシスコントロール 〇✕〇

1ターン目から強迫を打たれて、この環境には赤単じゃないデッキもあるのか!となったグリコン。初めて山でない土地を置かれる。相性はそこまで悪くない。

1戦目は先手で削り切り勝ち。ボーラスを着地させるも時すでに遅し。

2戦目は負け。再燃するフェニックス3連続は想定できないし、受けきれない。

3戦目は勝ち。普通に相手が事故りました。3色デッキの宿命である。

 

4回戦 グルール ✕〇✕

戦士指定から私は自分の運命を悟る。

特に何かあるわけでもなく1戦目を落とす。タフネスが高すぎるってそれ一番言われてるから。

2戦目は奇跡的に勝ち。相手が火力しか引かず、こちらはフェニックスを連打できた。このような事故でしか取れないマッチなので、3戦目も祈るしかない。

3戦目は普通に負けました。

 

2日目に進出するには最低6-2の成績が必要で、ここに来てもうあとがない状況に。事前の嫌な予感が見事的中し、赤単同士の潰しあいに巻き込まれる形となっていた。

今日は残すところあと4戦。全て勝たなければ2日目への道はない。

流石にここまで当たり方が偏っていたら、そろそろ有利マッチを引けるのでは? そう思いながら、私は寒空の中手を合わせていた。

ネクサス、スゥルタイ……頼む!

 

5回戦 グルール✕✕

 

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最終成績

赤単t黒 〇✕〇

赤単 ✕✕

グリクシスコントロール 〇✕〇

グルール✕〇✕

グルール✕✕

 

失意の2-3ドロップ!

赤単グルール大直撃!

 

私の読み通りグルールと赤単はかなり増えていた。恐らく赤単は使用率1位、グルールは5位か4位くらいには付けていたと思われる。

ピンポイントで不利マッチを引きすぎた結果の2-3。もう少しネクサスやスゥルタイと当たってくれや。しかし、初日を抜けるには2回しか負けられない訳で、赤単とグルールがこの比率で存在するのなら、どのみち2日目進出は厳しい当たりにはなってしまいそうだとは思う。

 

反省点はいくつかあるが、一番大きな失態は、事前の不安が的中したのにも関わらず、特に祈る以外の策を怠ったことだろう。直前で京都観光を優先した報いだ。

大会まで入念に準備を行ったつもりでいたが、メタゲームは水物。最後の1週間にもっと集中して練習を積むべきだった。仮に直前にグルールを選択できていたならば、私は勝ち組に回っていたかもしれない。

事前の入念な準備より、土壇場での詰め込みがスタンダードのグランプリという場では大切な要因なのだと感じた。直前の練習は2週間前よりも何倍も価値がある。この発想は今後のマジックライフをより豊かにするためにも大切な考えだと感じた。

 

しかし、私にとって得るものの大きかった1か月であったことも確かだ。結果こそでなかったものの、また一つ、マジックザギャザリングが上手くなることができたと感じた。

今まで触れてこなかったアグロとコンボの2つのデッキをじっくりと学ぶことができたことは、私の視野を大きく広げてくれた。強くなるためにも、純粋にマジックの世界をより楽しむためにも、この経験はきっとどこかで役に立ってくれるだろう。

まだまだマジックの沼は底の見えぬほどに広がっている。所詮、私が今までプレイしてきたのは「スタンダート」の一部のアーキタイプだけに過ぎない。世界が広がれば広がるほど、MTGには今まで以上に私の人生を豊かにしてもらわなければ困る。

 だが……、

 

悔しい…悔しくて死にそうっ!

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しかし……、

 

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※両方京都なのよ 

 

私より何倍も長い時間、何倍も努力した人たちを知っているわけで、実際直前で気が緩んだわけで。

帰宅後に改めてプロ選手の赤単t緑の記事やその他諸々を読んで、やはりまだまだ実力が足りていないことを再認識した。特にサイドプランや入れ替えの枚数などのプレイングの部分はまだまだ伸びしろがあり、練習や経験を積むべき項目であると感じた。これからもマイペースに続けさせていただくわさ。

 

5,京都観光編

 はい。京都観光編です。

 GPの前2日間はがっつり観光にあてました。

私自身京都に来るのが中学生ぶりだったため、非常に高ぶっていました。

特に何か目的があるわけではなかったのですが、京都という土地が「非日常空間」の代表として、私の頭の中には漠然と存在していたのです。

久しぶりの長期休暇。せっかくならノスタルジーに浸りながら、いろいろ考える旅にしなくてはならない。

 

 

というわけで、私は自転車を借りた。

これは京都で私がやってみたかった唯一の目的かもしれない。車や電車でなく、自分の足で巡る。等身大の京都の姿を私は眺めてみたかったのだ。 

 

まさに「碁盤の目」! 規則的な道を宛もなく走り続けると、ゆっくりと個性的な街並みが姿を現す。

 黒いマクドナルドを見かけて思わずパシャリ。

京都の景観に合わせてロゴを落ち着いた色に変えているチェーン店も多かった。

マクドナルド以外には、なか卯やほっともっと、Yahoo!ショップまでもが茶色く変色しており、街に対する誇りをひしひしと感じた。

しかし、なぜか「すき家」だけはどこに行っても真っ赤だった。なぜなのか。

 

細い路地を進んでいくと、今までフィクションの中でしか見たことない料亭的な建物も現れた。大阪にあるコイニハッテンする料亭じゃなくて、庭までついているガチなやつだ。

自転車を飛ばしながら、昼飯はどんな店に入ろうかとドギマギテンポくんになっていた。

 

結局ラーメンに入った(小心者)

これから何食も食べるわけなのだから、まずはジャンキーなところからスタートだ。

 上品な白湯スープはとても濃厚でやさしい味がした。

店長さんみたいな女性が、バイトの人にアイドルライブの話題を流暢な京都弁で話しており、「来たぜ!京都!」という気持ちがより強くなった。

 

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いろんなアニメの聖地になっている鴨川デルタ。 

 

そして、最初の目的地である下鴨神社に到着。

可愛い狸の一家がお出迎え。面白きことは良きことなり。

意外と女性参拝者が多かった。縁結びの神みたいなのも併設(?)されていたのでその影響かも。ガチ観光地じゃない場所なので、落ち着いた雰囲気で居心地は良かった。

 

 

水に濡らすと文字が浮かび上がる水みくじ。

恋愛は両親に相談した方がいいらしい。

 

日本語というものは不思議なもので、「両親に相談せよ」という文章でも、受け取り手によって意味が変わる。

私が受け取れば、恋人を工面してもらえという情けない意味になるし、恋人がいるものが受け取れば、結婚の相談を両親としろという意味になる。

わろす。

 

次は近くにあった「たまこまーけっと」の舞台、「出町枡形商店街」へ。

普通に活気があっていい商店街でした。

事前にもっと京都のアニメを観とけばよかったね、ハム太郎

そのあとは京都大学の方面をフラフラしてました。 

 

ホテルにチェックインし、いざ街へ。

一日中走り回ったため、疲労は限界。

割と遅い時間になってしまったので、近くにあった立ち飲みっぽい店に。

だが、これが大正解でした。

白湯スープのおでんは初めて食べたが、これがうまい!

薬味の柚子胡椒と紅ショウガの相性がGOOD!

当たりの店であることをここで確信。

 

  日本酒と馬刺し。

疲れた体に染み渡る日本酒。

馬刺しも新鮮でうまい。この後若干馬刺しにハマったレベルで記憶に残る味だった。

最後はTKGでフィニッシュ!

初日から完全勝利で終了。

 

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2日目は 清水寺

寺が工事中のよくあるパターンのやつ。

ガチガチな観光地「京都」のため昨日と違って人に溢れていた。街並みも徹底して「和」って感じで、外国人観光客がわんさか。

 

人力車に乗るカップルにも大量に遭遇した。

私情のこもった憶測である。

 

2日目もガッツリ動いてやろうと思っていたが、マジで体が動かない。

 埼玉から鎌倉まで自転車を漕ぎ続けたあの時代ほど私は若くないのだ。

ボロボロになりながら、15時ぐらいにホテルに退却し、ベットへIN。

そのまま20時ぐらいに起きて隣の焼肉屋へ。

心底クソみたいなムーブ。何百とすれ違ってきたカップルどもには真似できない残念な一人旅を満喫した。

 

 

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 3日目。敗戦ののちに立ち飲み屋へ。

 ワインっぽいリキュール。京都では庶民の飲み物(らしい)

割と飲みやすかった。このあともめちゃくちゃ酒を飲んだのだが、写真に撮るのを忘れて暴れていた。端的に表現すると「暴れていた」

 

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振り返ると何が残ったんだよって感じだが、ただ一言。

楽しかった。

歳を重ねれば重ねるほどに、人はいろいろなものに縛られていく。

25歳という節目の年に、自由に走り回って、暴れまわった4日間は私にとって忘れられない経験になってくれると思う。

サンキュー京都。

今度は女の子と人力車に乗ります。

 

6,おまけ

最後に今回使用したデッキのサイドボーディングを載せて締めとさせていただきます。

多分もう価値はないけども、思い出にね。

 

メイン60

4 ギトゥの溶岩走り
3 狂信的扇動者
1 凶兆艦隊の向こう見ず
4 ヴィーアシーノの紅蓮術師
3 リックス・マーディの歓楽者
3 軍勢の戦親分
4 ゴブリンの鎖回し

4 ショック
4 稲妻の一撃
4 魔術師の稲妻
2 舞台照らし
1 実験の狂乱
2 興行 // 叩打


13 山

4 血の墓所
4 竜髑髏の山頂


サイド15

3 ドリルビット
4 溶岩コイル
4 再燃するフェニックス
2 疫病造り師
1 実験の狂乱
1 沼

 

 ・対スゥルタイミッドレンジ

【IN】

3 溶岩コイル

4 再燃するフェニックス

1 実験の狂乱

1 沼

 

【OUT】

3 狂信的扇動者

2 ヴィーアシーノの紅蓮術師

4 ショック

 

・対エスパーコントロール

【IN】

3 ドリルビット

4 再燃するフェニックス

2 疫病造り師

1 実験の狂乱

1 沼

 

【OUT】

3 狂信的扇動者

4 ゴブリンの鎖回し

4 ショック

 

・対シミックネクサス

【IN】

3 ドリルビット

 

1 沼

 

【OUT】

1 山

3 ゴブリンの鎖回し

 

・対ティムール再生

【IN】

3 ドリルビット

2 疫病造り師

1 沼

 

【OUT】

1 山

4 ゴブリンの鎖回し

1 実験の狂乱

 

・対赤単

≪先手≫

【IN】

2 溶岩コイル

4 再燃するフェニックス

1 実験の狂乱

1 沼

 

【OUT】

3 狂信的扇動者

3 ヴィーアシーノの紅蓮術師

2 魔術師の稲妻

 

≪後手≫

【IN】

4 溶岩コイル

4 再燃するフェニックス

1 実験の狂乱

1 沼

 

【OUT】

3 狂信的扇動者

4 ヴィーアシーノの紅蓮術師

3 軍勢の戦親分

 

・対青単

【IN】

3 ドリルビット

4 溶岩コイル

4 再燃するフェニックス

2 疫病造り師

1 沼

 

【OUT】

4 ヴィーアシーノの紅蓮術師

1 凶兆艦隊の向こう見ず

4 魔術師の稲妻

1 実験の狂乱

1 興行 // 叩打

 

 

・対白単

≪先手≫

【IN】

4 溶岩コイル

2 再燃するフェニックス

1 実験の狂乱

1 沼

 

【OUT】

4 ヴィーアシーノの紅蓮術師

4 魔術師の稲妻

 

≪後手≫

【IN】

4 溶岩コイル

4 再燃するフェニックス

1 実験の狂乱

1 沼

 

【OUT】

4 ヴィーアシーノの紅蓮術師

4 魔術師の稲妻

1 凶兆艦隊の向こう見ず

3 軍勢の戦親分

 

・対グルール

【IN】

4 溶岩コイル

4 再燃するフェニックス

1 実験の狂乱

1 沼

 

【OUT】

3 狂信的扇動者

4 ヴィーアシーノの紅蓮術師

3 魔術師の稲妻

 

・対GATE

エスパーと同じ

 

・対イゼットドレイク

 

【IN】

3 ドリルビット

4 再燃するフェニックス

4 溶岩コイル

2 疫病造り師

1 実験の狂乱

1 沼

 

【OUT】

4 ゴブリンの鎖回し

4 ショック
4 魔術師の稲妻

1 実験の狂乱

1 狂信的扇動者

 

・対イゼットフェニックス

 

【IN】

3 ドリルビット

4 再燃するフェニックス

4 溶岩コイル

1 実験の狂乱

1 沼

 

【OUT】

4 ゴブリンの鎖回し

1 実験の狂乱

3 狂信的扇動者

4 魔術師の稲妻